雨が降らない街の人々は

雨のことを太陽と呼ぶ

そしてみんな口々に

「虹が見たい」と言う

僕は慌てて虹に問い合わせてみるけれど

もう最終電車を乗り過ごしたから行けない

と虹は言う

目の前で君はガムを噛んでいる

僕はそのガムが膨らみ風船になるのを待つ

風船は

もう2度と現れない

虹のところへ飛んでいく