2023-01-01から1年間の記事一覧

見ている

額縁に 自分の目を飾る ドアの取手が回転するのを アルファベットが AからZへ辿り着くのを 自分の目が見届ける その額縁を僕は見ている

ギター

どうしても弾きたいギターがあって 思い立って 電車に2時間乗って そのお店に弾きに行った 僕が弾いている間 これを買い取ってくださいと サックスを持ち込んできた女性がいた ずいぶん大切に演奏されていたんですねと 店員が言う 15万円でその人は手放すこ…

ライブ

コーネリアスとトッド・ラングレンとダリル・ホールのライブを観てきた。 とても良かった。 家に帰ってシャツを裏表 逆にして今日一日過ごしていた事に気付いた。

雨が降らない街の人々は 雨のことを太陽と呼ぶ そしてみんな口々に 「虹が見たい」と言う 僕は慌てて虹に問い合わせてみるけれど もう最終電車を乗り過ごしたから行けない と虹は言う 目の前で君はガムを噛んでいる 僕はそのガムが膨らみ風船になるのを待つ …

ありがとう

書くことがないという時点で もうすでに何かを書いている 夜になれば朝が何者か分かるし 朝になれば夜が何者かが分かる 私は何になれば 何者か分かるのか 何かに逆らいたくなり 地球を蹴りジャンプをする 重力は いつも そこにある ありがとう

ナポリタン

いつも髪を切りに行く床屋の帰り道に 気になる喫茶店があった なぜだかいつも入りづらい空気を感じ 何年も素通りしていたけれど 先日意を決して入ることができた 入るとおじいさんが出迎えてくれる 気の利いたものは何もないよとおっしゃる かまいませんと僕…

そうかも

歌は 喉から声が出るより 鼻から出たり 胸辺りから出てくる方が好きだ ギターのようなドラムが好きだし トランペットのようなファズギターが好きだ そもそもどこからどこが 音楽で どこからどこが 犬と猫か分からない その境界線に立つことができるなら そこ…

2023.9.14

確かにのぼっている と思う この坂は 透明だから 確実なことは言えないけれど 確かに 多分 あいつ 探し物が見つからないらしい 何を探しているかを 今 探しているらしい ほっておいてあげよう あいつ 探すことが 好きなんだ

2023.9.13

裸足で浜辺を歩く いろいろな言葉が落ちていて 歩くと刺さって痛い 夢 中古車 錆びた青空 ジャズのスタンダード カーステレオ 終電前 缶ビール 閉店した床屋 浜辺を歩き終わらないうちに 痛みに耐えられなくなって 海に飛び込んだ なぜだろう 太陽が見当たら…

2023.9.12

はじまるから楽しい はじまるから悲しい おわるから楽しいし おわるから悲しい 自分は誰かの妄想の一部分らしい ギターは弦が震えることで 自分はギターだと証明する 僕も自分を証明する為に 何かを震わせようとするけど 手元には何もない バートバカラック…

2023.9.9

荻窪行きのバスに乗れば 荻窪に行ける どこかに行きたいなら そのバスに乗ればいいです 距離はなくなる すべての発言は要約できる つまり また会いましょう つまり 今夜は雨です つまり ごめんなさい また バスを一本乗り過ごした

2023.9.5 詩

味のしない歯磨き粉で夜を磨け 満員電車には誰も乗っていない これに乗って 朝に行く 4拍子か3拍子かは あの指揮者が決めるぞ でも好きにやればいい 死がやって来る前に 次の足を出す 虹の足元を目指して行けば あの子 虹になった

浜松へ

自分は何者でもないのに 何者でもあるかのように ふるまっている レンタカーを手配して 浜松へ向かう 足柄サービスエリアで DVDのワゴンセールを見つけ 10枚ほど買ってしまう 財布は自分のふるまいの鏡だと 聞いたことがある ああこれが自分自身の姿なんだと…

開かない窓

窓は開くから窓なのです 開かない窓は 眠れない夜の悩み事と同じ 目測を誤った大工さんが 家の中に家を建てたのです 僕はその中に住み込み 夢を見るのです あたりが騒がしく目が覚めると 僕は開かない窓の前にいるのでした

パラマウント・ヘッズ2

パラマウント・ヘッズ2 何とか危機を脱した彼らは また新たな旅に出たのでした

2023.8.22 詩

I am nobody.But I'm not even your friend.I tried to think upside down.tears flow like tears.Matching answers is nonsense. 僕は何者でもない かと言って君の友達でもない 逆さまになって考えてみたけど 涙は涙のように流れていく 答え合わせはナンセ…

レコード 2023.8.21

未来が現在を派遣する 洗濯物は乾く為に 今ベランダで揺れている 太陽も 明日のために 今そこにいる 僕は汗をかく為に 今この夏にいる

幻か

夜 墓地を抜けて 坂道を下ると 大きな橋に出る そこで4,5人のグループが バイクを自慢しあっている その大きな橋は昼 おじいさんが リハビリの為の散歩をしている どちらが幻かは誰にも分からない

レコード 2023.8.3

人ごみの中に自分がいる 自分という固まりがたくさん集まって 人ごみになるのか それとも すでに人ごみはそこにあって 自分はその中の一部なのか 分かりません ロンリーサーファーというこのタイトルが とても好きです 始発はひとりの非日常から 終点は人ご…

レコード 2023.7.29

心を込めて狂えば そこに感動が生まれると 世阿弥が言っていた ジョビンの作るメロディは 狂っていると思う 心を込めて狂っているから ちゃんと波が打ち ちゃんと風が吹くんだと思う ちゃんと生きるということは ちゃんと狂うということでもあるんだね この…

スパークスを観た

やり続けている人の ただそれだけの音と物語がそこにあった。

お知らせ

ライブスケジュールを更新しました。 https://shinmuratetsuya.wixsite.com/home/live

レコード 2023.7.22

季節感のない食べ物を まさに今、季節の中にいる私が食べている 春とは何か 夏とは何か ここでは意味をなさない 冷房の効いた部屋の中に トンネルがある そこをバイクで猛スピードで走り抜ける 絶対に振り落とされるなよと誰かが言う 声のする方を見ると ト…

レコード 2023.7.6

裏と表一つの物体に裏と表があるつまり一つの中に二つあるということか 愛も憎しみも賛成も反対も入り口も出口も一つの中にあるのか ふと居酒屋で知らない人と話し込んだことを思い出すおれの話を聞いておくれと そこでは悲しみも喜びも同じテーブルの上に並…

レコード 2023.7.4

「人間は機械にすぎない。外部のものを自分の中に取り込み、それから何かを創造する。シェイクスピアが無人島にいたらあの素晴らしい芸術は生まれていただろうか。」と、マーク・トウェイン爺さんが言っていた。 今、機械(シンムラ)が畳で寝そべっている。機…

レコード 2023.7.3

坂道の上から 球全体に粘着シールを貼り付けた ボールを転がす 私はそれを下で受け取るが ボールには何も張り付いていなかった 何も起こらないことで より一層 事の重大さが分かることもある かっこいい

大きなリュックサック

イメージはこう もうすでにすべての材料はそろっている人とか木とか猫とか道とかエレベーターとか甘いケーキの匂いとかパイプ椅子とかあとは言葉をそこに置くだけでその材料たちの時計が動き出すいつでも私たちの言葉待ちなのです というわけで新しい鞄を買…

マティスに会う

マティスの絵を見に出かけた。 上野まで。 空間の中に空間を生み出す為に 矢のように色を飛ばし 高速道路を駆け抜けるように 筆跡をどこまでも走らせる 夏 季節の中にいる気でいたけれど違った 私たちの中に 季節があった 流れ続ける汗 またどうしようもなく…

春そのもの

山頂に積もった雪を眺めるように 電気ストーブの上に積もったホコリを眺める僕は冬を越して春へ来た扉はなかった弾丸のように僕はここへきた体を確認したところ怪我はない出発当初から僕は過去を振り返らないと決めていたから山頂の雪が溶けるのはまだ先だろ…

数字のさみしさ

数字のことを考えるとさみしい 2022年にはもう触れられないしましてや1998年にも1877年にも触れられない5月にも1月にも触れることができない数字は走って逃げていくわけでもないけど川の水のように流れていくわけでもない時計を止めようと秒針にぶら下がるこ…