アイドンノウ

始まりは空だった

気付いたら傘を開きながら

僕はゆっくり地上に向けて落ちていた

なんでこんな状況かは

誰にも説明できない

この世界

誰にも説明できないことばかりだね

おお、うまく傘を調整して

なんとか屋根の上に着地しよう

そこはかつて僕が住んでいた家だ

もう取り壊したはずなのに

無事着地できたので

そのまま窓から家の中に入った

誰も住んでないし

何も残っちゃいないけど

猫が住んでいた

死んだはずの

ニャーゴ

そんなわけないと思い

帰らなきゃと思い

傘を広げて

空に向けて落ちていこうとしたら

唐突に天使みたいな人が

さて問題

この先の空は天国ですか地獄ですか

「アイドンノウ」と答えたら

正解!と言われ

頭の上の輪っかをくれた

 

ほしかったんだよね

その輪っか