季節のように
目の前を横切る電車のように
今朝飲んだコーヒーのように
すべては
体を通り過ぎていく
季節を止められないように
すべてのものごとは
なすすべもなく
通り過ぎていく
通り過ぎて
通り過ぎていく
通り過ぎたかと思うと
通り過ぎていく
去年出会った
365回の太陽も
通り過ぎて
遠い場所へ行ってしまった
引力から解放された君から
「知らない場所に行った」
という
手紙を受け取った
差出先は
僕がよく知っている住所だった
知らない場所とは
実はよく知っている場所だ