アルバムをめくり

色あせていく写真を

眺めている

 

眺めている

まさにこの瞬間も

色あせていく

 

抱き合ったまま発掘された

恋人のような関係の

大昔の二人の骨

の話を思い出す

 

つまりは

このアルバムを眺めている

自分も

 

このおれを

今すぐに発掘してほしいなんて

思うのは

欲望の暴走か

 

よく考えたら

ギターを持って歌う行為は

骨の振動

 

思い立ち

部屋に転がるギターを手にとり

Eコードをじゃらんと

鳴らしてみたら

 

隣に住む人が

ありったけの骨を使って

苦情を呈してきた