ダンス

才能にあぐらをかいている

五感の上で

「見るなら見ろ。聞くなら聞け」

師匠の言葉だ

師匠って誰だっけ

ああ、確か今吹いている風だった

 

街は大きな図書館だ

そこら中に学ぶべきものが並んでいる

夕方5時頃、街に影が落ちてくる

地球の傾きを感じる

傾いた分たまっていた水が流れていく

どこに?

ああ、昨日あの人が流した涙がそれだった

 

レコード屋に入る

ジャズドラムがツクタカツクタカ言っている

その上でメロディがダンスしている

 

風に吹かれて葉っぱがそよめくことと

人間が音楽に合わせてダンスすることは

似ている

 

夜、赤いワインを飲む

その赤色は

頬の色へと

そして

明日のぼってくる太陽へと

伝染する

 

伝染は

ひとつの船に乗った生き物たちに

平等に与える

 

それをダンスと名付けた

君の顔が

笑顔でありますよう