急に目の前の男が
その前を歩いているサラリーマンの
後ろポケットから財布をぬすんだ
その男はぬすんだ財布をこっそり
隣に歩いている学生の男のカバンに
入れ込んだ
それを見た自分は
学生に罪が着せられることを
不快に思い
カバンからその財布を抜き取った
その瞬間
前から屈強な男が
思いきりぶつかってきた
自分から道を譲ることは絶対にしない
と誇らしげにその男は言った
腹が立ったから
その屈強な男のポケットに
財布をねじ込んでやった
屈強な男は
満面の笑みで
「ありがとう」
と言った